外部に音楽制作を依頼するまでの大まかな流れを確認しよう!
音楽制作とは、作詞・作曲・編曲からレコーディングやミキシング、マスタリングなどを含む、楽曲ができ上がるまでの工程のことを指します。今回は音楽制作を依頼したいという方向けに、まず何をすればいいのか、どのような種類があるのか、そしてどうやって依頼するのかという流れを解説します。
音楽制作の依頼先の種類
音楽制作の依頼先の種類は多岐にわたっていますが、ここではよく使われている3つの方法を解説します。
クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサービスとは、スキルを持つクリエイターや案件をオンライン上で募集し、やり取りするサービスのことです。音楽制作をプロに頼む予算がない、相談できる相手がいないなどといった悩みがある場合は、このサービスを利用することで解決できます。さらに、プロからアマチュアまで登録している作曲家は数多くいるため、予算を抑えた音楽制作の依頼が可能です。
SNSなど
Twitter、FacebookなどといったSNSには、自分の知識や特技を生かして仕事の依頼を希望している人が多くいます。SNSは個人間でのやり取りが簡単であり、依頼の受注にも最適です。ただし個人のスキルを事前にチェックし、自分のイメージにあった楽曲を制作できるかどうかを見極める必要があります。
制作会社
音楽制作会社への依頼は、コストはかかりますがもっとも曲のクオリティが高くなります。どんな依頼であっても、会社に所属している数多くのスタッフがそれぞれ対応してくれます。歌詞を書いてもらったり、生演奏で楽器をいれてもらったりなどといったオプションを加えることもできるのも強みです。
音楽制作の種類ごとの特徴
音楽制作はその使用用途によって価格や納期、製作時間などが大きく変動します。企画の用途に適した依頼先を選びましょう。
BGM制作
ゲームやアニメ、映画、YouTubeなどにおけるBGMとして使用します。ほとんどの場合、パソコン1台でソフトウェア上の打ち込み音源のみで完成できるため、廉価に依頼することも可能です。ただし、声や生演奏を入れる場合は別途料金が発生することがあります。依頼先は個人クリエイターや大手制作会社、BGMを専門に取り扱う制作会社まで幅広く存在します。
CMソング制作
歌詞に企業名や商品名が入ったオリジナル楽曲や、商品などを連想させるイメージソングなどさまざまです。広告代理店の意向を元に、商品のイメージから絵コンテを起こして制作される場合がほとんどです。事前に著作権の所在を確認しましょう。
楽曲制作
こちらは、アーティストが歌う楽曲やそのミックス、マスタリング、それに伴うプロの演奏家の生演奏によるレコーディングなどが必要な楽曲の制作が該当します。音楽制作会社に依頼する場合は、制作会社の名前をクレジットするかなどを含め、綿密に確認しておきましょう。
外部に音楽制作を依頼するまでの大まかな流れ
ここでは外部に音楽を制作する際の流れと注意点を、順に詳しく解説します。
企画の立案
まずは全体のコンセプトとなる、ターゲットになる視聴層や楽曲の使用媒体や目的などを決定します。そして使用する媒体や場所(TVCM、自社サイト、SNS、YouTube、店頭やイベントなど)、完成楽曲の納期を決定します。その上で企画や全体の予算を立てます。
楽曲制作にかかる費用は、作詞料・作曲料・編曲料などを分けて見積もる場合もあれば、それらすべてをまとめて見積もる場合もあります。見積もりは著作権料によっても変動し、著作権を譲渡してもらう場合は譲渡料が発生するので、あらかじめしっかりと決めておきましょう。著作権を曖昧にしてしまうと、後のトラブルの原因になることがあります。
依頼楽曲の大枠を決める
ジャンルや参考楽曲、曲の長さなどを決定します。イメージに近い曲があれば既存の曲をリストアップしましょう。歌詞または歌詞に使うキーワードを用意する場合もあります。楽曲の長さは企画内容によって変わり、その長さにより制作料金も変動します。コストを抑えるために楽曲の一番だけを作って貰うこともあります。CMに使う場合は約15秒から30秒ほどです。
作曲家を選択する
作曲家や制作会社にはそれぞれ得意なジャンルがあります。依頼先が今までに作った楽曲の実績などを聴いて、用途とのイメージがあうかを把握しましょう。
作曲家と連絡を取り依頼する
作曲家に向けて、制作依頼をします。内容は、「楽曲の内容」「著作権について」「楽曲の長さ」「想定予算」「納期」を明記し、依頼先へ送りましょう。
ラフ音源のやり取りと完成音源の受け取り
制作楽曲のラフは必ずもらい、方向性をすり合わせます。すり合わせを行わずに制作を進めて仕上がった場合、修正に追加料金が発生することがあるからです。歌手や演奏家の生演奏の場合は録音後の変更が難しくなるので、すり合わせは必ず行いましょう。そして楽曲が完成次第、楽曲のファイルを受け取ることになります。
金銭のやり取りとその後
演奏代・作曲代・編曲料・著作権使用料は源泉徴収の対象となります。フリーランスの作編曲家であれば、源泉徴収が必要になることもあるため、必要書類を手配しておきましょう。そして著作権譲渡の契約に沿って楽曲を使用します。不明点があった場合は、その都度作曲家に確認し、トラブルを防ぐことが大切です。
まとめ
今の時代は個人の作曲家でも機材をそろえることが可能であり、クオリティも制作会社とほぼ変わらないほどになっています。そのため、料金の相場の違い、それぞれのメリットやデメリットを把握し、自分のイメージにあった作曲家や制作会社と、礼儀を正して密にやりとりをするのが、音楽制作の成功のコツといえるでしょう。